『ふつうの軽音部』が面白すぎる。邦ロック&ギター好きに刺さる3つの理由【ネタバレ控えめ】

お疲れ様です。タキタロウです!

最近は『ぼっち・ざ・ろっく!』『BanG Dream!』『ガールズバンドクライ』など、ガールズバンドを題材にした作品がかなり盛り上がっています。

僕自身、大学時代からギターを始めてバンドもやってきた人間なので、この手の作品は結構好きです。

そんな中、

「これ、めちゃくちゃ面白いな……」

と思った漫画が、

『ふつうの軽音部』。

しかもこの漫画、ギターやバンドをやってきた人間、それも1990年代~2000年代の邦ロックを聴いてきた人には、とんでもなく刺さる作品です。

銀杏BOYZ。

ナンバーガール。

syrup16g。

ASIAN KUNG-FU GENERATION。

スピッツ。

Mr.Children。

ELLEGARDEN。

このあたりの名前を見て、

「おっ」

となった人。

かなり危険です。

おそらく『ふつうの軽音部』が刺さります(笑)。

今回はギター・バンド経験者であり邦ロック好きでもある僕が、できるだけ大きなネタバレを避けながら、

なぜ『ふつうの軽音部』が面白いのか?

その魅力を3つに分けて紹介します。

※本記事は作品序盤の内容や登場楽曲について触れています。ストーリーの核心に関する大きなネタバレは避けています。


『ふつうの軽音部』とは?

『ふつうの軽音部』は、原作・クワハリ先生、漫画・出内テツオ先生による青春音楽漫画です。

主人公は高校1年生の、

鳩野ちひろ(通称:はとっち)。

ちょっと渋めの邦ロックが好きなギター初心者のはとっちが、憧れのギターを購入して高校の軽音部へ入部。

そこで出会った部員たちとバンドを組みながら成長していく物語です。

公式では、

「ちょっと渋めの邦ロック」

と紹介されています。

ただ、個人的には一つ訂正したい。

「ちょっと」じゃありません。

だいぶ渋いです(笑)。


2026年現在も連載中。コミックスは12巻まで発売

『ふつうの軽音部』は、もともと2023年にジャンプルーキー!で発表され、その後2024年1月から『少年ジャンプ+』で連載がスタートしました。

その後、

「次にくるマンガ大賞2024」Webマンガ部門第1位。

「このマンガがすごい!2025」オトコ編第2位。

「マンガ大賞2025」第3位。

など、数々の漫画賞で高く評価されています。

2026年10月現在も『少年ジャンプ+』で連載中で、コミックスは第12巻まで発売されています。

僕が最初にこの作品を動画で紹介した頃より、かなり大きな作品になりました。


第1話から「ふつうのバンド漫画」じゃない

『ふつうの軽音部』がどんな漫画なのか。

これは第1話を読むだけでもかなり伝わります。

主人公のはとっちは高校入学を前にギターを買いに行きます。

選んだのは、

テレキャスター。

好きなミュージシャンが使っているから。(向井秀徳)

ギター好きとしては、この時点でもう良い(笑)。

でも初心者なので当然試奏なんてできません。

店員さんから、

「試奏しますか?」

と言われても弾けない。

かといって、

「代わりに弾いてください」

と頼めるほどコミュニケーション能力も高くない。

結果、

流れでそのまま買う。

この感じ。

初めて楽器屋に行ったことがある人なら、

「分かるわ……」

となるんじゃないでしょうか。


イケメン男子と出会う。普通なら恋が始まりそうだが……

さらに楽器店では、RADWIMPSの「おしゃかしゃま」を弾いている同年代のイケメン男子が登場します。

少女漫画的な展開なら、

「ここから二人の物語が……」

となりそうです。

しかも偶然同じ高校。

さらに同じ軽音部。

完全にフラグです。

ところが第1話の最後で、

その後3年間、特にいい感じにはならなかった

ということが示されます。

いきなりフラグを自分で折る(笑)。

でも現実って、だいたいそんなものです。

この、

「漫画的にありそうな展開を微妙に外してくる」

感じが、『ふつうの軽音部』の面白さでもあります。


魅力① 軽音部の描写が妙にリアル

まず僕が感じた一番大きな魅力が、

軽音部の描写がリアル。

ということです。

もちろん『けいおん!』や『ぼっち・ざ・ろっく!』も大好きです。

ただ、冷静に考えると結構ファンタジーです。

最初からめちゃくちゃ楽器が上手い人がいる。

登場人物が美少女だらけ。

初心者なのにものすごい勢いで上達する。

ライブでいきなりオリジナル曲を演奏する。

作品としては、それで良いんです。

ただ実際の高校の軽音部って、もっと普通です。

そして、

『ふつうの軽音部』は本当に普通。

基本的にはコピーから始まります。

ギター初心者は普通に下手です。

見た目だって全員が美男美女ではありません。

さらに生々しいのが、

人間関係。


軽音部には普通に恋愛問題が持ち込まれる

バンド漫画やガールズバンド作品では、恋愛関係をあえて排除している作品も少なくありません。

でも『ふつうの軽音部』では普通に出てきます。

誰と誰が付き合った。

別れた。

好きな人を取られた。

先輩と付き合っていた。

だから同じバンドではやれない。

好きな相手にアプローチしたけど全然相手にされない。

……などなど。

そうそう、高校生の部活ってこういう面倒くさいこと起きるよな(笑)。

音楽だけに青春を捧げているわけじゃないんですよね。

バンドをやりたい。

恋愛もする。

友達とも揉める。

嫉妬もする。

でも部活では顔を合わせる。

この妙に生々しい人間関係が、作品の「超等身大」というキャッチコピーにつながっているように思います。


魅力② 主人公・はとっちが「普通」なのが良い

2つ目の魅力が、

主人公の鳩野ちひろ。

はとっちです。

他のガールズバンド作品の主人公を考えてみましょう。

ものすごく歌が上手い。

ものすごくギターが上手い。

人並み外れた度胸がある。

圧倒的な努力量がある。

何かしら分かりやすい才能を持っていることが多いです。

ところが、はとっちは、

ギターが弾けません。

中学生時代には声についてからかわれた経験がある。

コミュニケーション能力が特別高いわけでもない。

ものすごい美少女として描かれているわけでもない。

ただ声はデカい。

……地味です(笑)。

でも、それが良い。


最初から天才じゃないから「成長」が面白い

はとっちは、最初からギターヒーローではありません。

ライブをやっても、

「下手くそ」

と言われる。

でもそこで、

「私には才能がないんだ……」

と終わらない。

自分には何が足りないのかを考える。

そして、

人前でギターを弾きながら歌う度胸が必要だ

という結論にたどり着きます。

そこから彼女が何をするか。

これが個人的にめちゃくちゃ好きなエピソードです。


真夏の公園でテレキャスターを抱えて「透明少女」

夏休み。

はとっちは親に出してもらったギター代を返すためにアルバイトを始めます。

そしてバイトが終わると、

テレキャスター1本を持って公園へ行く。

アンプなんてありません。

ただのエレキギター。

そこで弾き語りを始めます。

真夏の公園。

地味な女子高生。

テレキャスター。

そして歌う曲が、

ナンバーガール「透明少女」。

いや、

格好良すぎるだろ。

僕はここで完全にやられました(笑)。


はとっちは「普通」だけど努力する

ここが重要だと思っています。

はとっちは天才ではありません。

でも、

ちゃんと努力する。

しかも漫画的な、

「1週間の猛特訓で突然超絶ギタリストに!」

みたいな努力ではありません。

人前で歌う。

少しずつ慣れる。

失敗する。

また練習する。

そういう地味な積み重ねです。

だから読んでいる側も、

「こいつ、これからどうなるんだろう?」

と思える。

完成された主人公ではなく、成長していく主人公。

これが『ふつうの軽音部』の大きな魅力だと思います。


魅力③ とにかく登場する邦ロックが渋い

そして3つ目。

おそらくこの記事を読んでいる人には、ここが一番重要かもしれません。

選曲が良すぎます。

作中には実在する邦楽が大量に登場します。

しかも単純に、

「有名なロックバンドを並べました」

ではありません。

結構渋い。


『ふつうの軽音部』に登場する楽曲

作中では、例えばこんなアーティストや楽曲が登場します。

  • ナンバーガール「透明少女」
  • syrup16g「生活」
  • スピッツ「スピカ」
  • ELLEGARDEN「ジターバグ」
  • Mr.Children「名もなき詩」
  • andymoriの楽曲
  • 銀杏BOYZ
  • ACIDMAN

……などなど。

この辺を聴いてきた世代なら、

めちゃくちゃ刺さると思います。

特に30代後半~40代くらいで、学生時代に邦ロックを聴いていた人。

かなり危険です(笑)。


ただの「懐メロ漫画」ではない

ただし、この漫画の上手いところは、

昔の邦ロックを出してオッサン・オバサンを喜ばせているだけではない

ところです。

曲が物語の中できちんと意味を持っています。

はとっちが何を歌うのか。

誰の前で歌うのか。

その歌を誰が聴くのか。

その結果、人間関係がどう変化するのか。

楽曲そのものがストーリーを動かす装置になっている。

だから曲を知っていると、さらに面白い。

逆に知らない曲が出てきたら、

「これどんな曲なんだろう?」

と聴きたくなります。

漫画を読みながらSpotifyやYouTubeを開きたくなる作品です。


「流行曲」と「主人公が好きな曲」の使い分けも面白い

もちろん『ふつうの軽音部』には、昔の曲しか出てこないわけではありません。

RADWIMPS。

あいみょん。

Vaundy。

など、比較的新しい世代にも馴染みのあるアーティストも登場します。

ただ個人的に面白いと思ったのが、

誰がどんな曲を演奏するか。

主人公側が少し古くて渋い邦ロックを選ぶ一方で、周囲の人物が流行している曲を演奏する。

そこにちょっとした価値観の違いが見えるんですよね。

僕には作者の、

「みんなが聴いている曲だけが格好良いわけじゃない」

という反骨精神のようなものも感じられました。

これは完全に僕個人の解釈ですが。


『ぼっち・ざ・ろっく!』とはかなり違う

同じ女子高校生×ギターということで、

『ぼっち・ざ・ろっく!』

と比較されることもあると思います。

ただ、実際に読んでみると方向性はかなり違います。

『ぼっち・ざ・ろっく!』はバンド活動を題材にしつつ、ギャグやキャラクターの強さ、オリジナル楽曲などを楽しむ作品。

一方『ふつうの軽音部』は、

学校という小さなコミュニティの中で、音楽を通じて人間関係が変化していく青春漫画

という側面がかなり強い。

そして演奏するのは実在する曲が中心。

同じ「ガールズバンドもの」とまとめるより、

似ているようでかなり違う作品

として読む方が楽しめると思います。


ギター経験者には楽器描写も楽しい

そして当然ですが、ギター好きとしては楽器を見るのも面白いです。

主人公のはとっちが使うのは、

テレキャスター。

これだけでも僕はかなり好きです(笑)。

ギターを買う。

弾けない。

試奏できない。

バンドを組む。

コピーする。

ライブで失敗する。

人前で弾くために練習する。

こういった流れも、ギター経験者なら、

「あー、分かる」

となる場面が結構あります。

ギターを題材にしているだけではなく、

「初心者がギターを始める感覚」

がちゃんと描かれている作品だと思います。


どんな人におすすめ?

『ふつうの軽音部』を特におすすめしたいのは、

邦ロックが好きな人。

そして、

学生時代に軽音部やバンドをやっていた人。

ギターを弾いている人。

『ぼっち・ざ・ろっく!』などのバンド作品が好きな人。

青春群像劇が好きな人。

特に、

銀杏BOYZ、ナンバーガール、syrup16g、アジカン、スピッツ、ミスチル、ELLEGARDENあたりに反応してしまう人。

このタイプにはかなりおすすめです。


逆に「キラキラしたバンド漫画」を求める人には違うかも

一方で、

華やかなライブ。

美少女キャラクター。

格好良いオリジナル曲。

プロを目指して突き進むバンド。

そういう作品を期待すると、少し違うかもしれません。

『ふつうの軽音部』で描かれるのは、

高校の軽音部。

上手い人もいる。

下手な人もいる。

モテる人もいる。

モテない人もいる。

性格の良い人もいる。

面倒くさい人もいる。

バンドを組んだり解散したりする。

恋愛で揉める。

それでも音楽を続ける。

この、

「普通さ」そのものを面白がれる人に刺さる漫画

だと思います。


アニメ化したら絶対面白そう。でも最大の問題は楽曲?

この作品を読んでいると当然、

「これアニメになったら面白そうだな」

と思います。

ただ同時に、

「これ権利関係めちゃくちゃ大変じゃない?」

とも思います(笑)。

実在するアーティストの実在する楽曲が、物語上かなり重要な役割を持っているからです。

単純に曲を別のものへ置き換えると、作品の魅力そのものが変わってしまう可能性があります。

とはいえ、

そんなことはどうでもいいと思えるくらい作品自体にパワーがある。

最初に読んだ時から、その印象は変わっていません。


まとめ:邦ロック好きなら、とりあえず第1話を読んでほしい

『ふつうの軽音部』の魅力を僕なりにまとめると、

リアルな軽音部の日常。

普通の主人公・はとっちが少しずつ成長していく面白さ。

そして異常に渋くて格好良い邦ロックの選曲。

この3つです。

特に僕と同じように、

1990年代~2000年代の邦ロックを聴き、

ギターを弾き、

学生時代にバンドをやっていた人。

かなり刺さると思います。

そして何より、

第1話からテレキャスターです。

僕としては、それだけでもう加点対象です(笑)。

2026年10月現在、『ふつうの軽音部』は『少年ジャンプ+』で連載が続いており、コミックスも第12巻まで発売されています。

まだ読んだことがない方は、まず第1話を読んでみてください。

そして、

ナンバーガール「透明少女」をテレキャスターで弾き語る女子高生

という字面だけで何かを感じた人。

たぶん大丈夫です。

あなた向けの漫画です。

元動画では、実際に作品を読んだ時の感想や登場する楽曲について、さらに詳しく話しています。

動画版もぜひあわせてご覧ください。

■動画内で紹介した楽曲

・NUMBER GIRL – 透明少女
https://www.youtube.com/watch?v=o7rZ_JB-sXM

・andymori「everything is my guitar」
https://www.youtube.com/watch?v=SAIWRnvxmHo

・ACIDMAN – 赤橙
https://www.youtube.com/watch?v=EXYTyVR1Eac

・Hump Back – 「拝啓、少年よ」Music Video
https://www.youtube.com/watch?v=d6i4AtCxrDo&list=RDd6i4AtCxrDo&start_radio=1

・スピカ/スピッツ
https://www.youtube.com/watch?v=skTm1_kwR8w

・名もなき詩/Mr.Children
https://www.youtube.com/watch?v=a-QoihNWjxM

・生活/syrup16g
https://www.youtube.com/watch?v=2YmVk4qNiJ8

・ジターバグ/ELLEGARDEN
https://www.youtube.com/watch?v=JAnJd5beYJ

■参考&引用リンク

・ジャンプ+ふつうの軽音部 – クワハリ/出内テツオ
https://shonenjumpplus.com/episode/16457717013869519536

©クワハリ・出内テツオ/集英社
©アニプレックス・芳文社・はまじあき
©かきふらい・芳文社/桜高軽音部
©東映アニメーション